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◇ テラロマ・ワールドガイド その11
「T大陸横断鉄道」by魅流さん
※ この設定は魅流さんの妄想の範疇です。
大陸横断鉄道計画
異世界との交易をきっかけに、ソフィニアとクーロンの一部の金持ち
が設置してみようと計画、どこからかそれを聞きつけたウピエルも半ば
強引に参加し、立ち上がったプロジェクト。偶然、異世界から鉄道系の
知識を持つ技術者が流れてきたため、彼をリーダーに開発チームを結成、
本格的に動き出した。
動力は蒸気機関に魔導石を組み込んだモノで、魔導機関というまんま
なネーミングが為されている。
この魔導石には物理衝撃を熱エネルギーにほぼロスなく変換する効能
があり、コイツをぶっ叩く事で薪の代わりを果たさせる事が可能になっ
ている。
基本的な外見は機関車とそれに付随する列車の通りだが、燃料が要ら
ない為炭水車に炭は無く、100%水しか入っていない。
又、列車の回りには光の進行を歪め透過するような結界を張り、異世
界の古めの列車のデザインを使用する事で異世界人に見られないように、
あるいは万一異世界人に見咎められたとしても幽霊列車として話に伝わ
るように努力している。
列車は現在6両編成で、うち2両が機関車と炭水車、1両が食堂車、2両
が客車で1両が貨物車両となっている。
新しくテラロマ世界に線路を敷くには金やら資材やら、いろいろと大
変なので、次元をきって裂け目を作って通る事で異世界に移動し、そこ
の鉄道を利用する事でコストを大幅に削る事に成功した。
この事は毎回乗るたびに景色が違うという付加価値も生みだしている。
ちなみに、次元を切る技術は異世界との交易のためのゲートを開く技
術を応用したモノである。また、汽車がそこを潜り抜ける時に一部の敏
感な人達に物凄い悪影響を及ぼすという報告も上がっており、また苦情
も届いているので現在その原因を追究し、駅の構成素材を変更するなど
の方法で軽減、解消できないか検討中。
ソフィニア―クーロン間を地下鉄のあったソフィニアの方から徐々に
異世界を通る距離をふやしていき、今ではクーロンの近くのルートとい
う町まで路線が伸びてきている。
今のところゲート通過時の騒音(?)以外は主だった苦情はでておらず、
特に事故もないため計画は順調に進行中。テストを兼ねて色々な物資や
人を乗せて往復中だ。
開発の大体が行われたソフィニアでは少々噂も流れているが、基本的
に一般にはまだその存在は知られておらず、各街の駅も工場という形で
偽装されている。
尚、当時「時空操作論」及び「次元認知論」の博士号を持っていて有名だっ
たクロゼンという魔術学院の教授も開発チームの一員として、参加して
いる。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その12
山・山脈情報
■オクラテス山
スズシロ山脈の東の裾野にある山。カフールの西に位置している。
この山には「賢者」と呼ばれる男・ニマルが独りで住んでいるのだが、
その正体が「レガシー」の中でも、特に力を持ち、人の形を取ることが
出来る宝石の一つであるという事実を知るものは殆どいない。
ちなみに「レガシー」とは、古代文明で戦争に利用されるために作ら
れた兵器の一部を指す言葉だが、その情報は殆どが失われ、残った情報
も意図的に隠されている節があるので、その情報収集は困難である。
■スズシロ山脈
新生エディウス、正統エディウスの南側の国境ラインから西へと延び
ている山脈。オクラテス山も含んでいる。
山脈の中腹に旅族の砦があり、付近を通る旅商から金品を巻き上げて野
望を達成しようとしていたらしい。が、阻止された。(詳細はパラノイ
アを参照のこと)
■スズナ山脈
大陸の北方と中央部を分かつように広がる山脈。
山脈のどこかに断崖の国コモンウェルズという鳳凰信仰の宗教国家が
ある。
■ボルド山
ヘレク東方に位置する山。
絶滅を囁かれている「スノーマウンテン」という白い猿が連なる山脈
に住むという。何かの遺跡も存在するらしい。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その13
「ドワーフ小人についての考察」
ドワーフは元来土の中に住むのを好む傾向にある。この辺は恐らく神
話に由来しているのだろう。
彼らの出自については、諸説ある。
最も多くの支持を得ているのは、原初の巨人説だろう。原初の巨人の
死体に湧いた蛆がドワーフの祖だと言う。原初の巨人の死体は大地になっ
たことから、ドワーフが土の中に住まうとする説がもっとも有力である。
ドワーフが日光に当たると石になって死んでしまうから土中に住まっ
ているのだと言う説もあるが、この説は実際に日の光の中を歩いている
ドワーフがいる事で否定されるだろう。
彼らは皆一様に身長が1m弱しかなく、横幅の広い所謂樽型の体型で
ある。頭髪は長く、体毛は金でも黒でもなく大体その中間色である赤毛
や栗毛が多い。身体は頑強で、寿命も200歳以上と非常に長い。われわれ
人間と比べるとエルフ族に次いで長いのではないだろうか。
その体型に似合わず、皆一様に器用で、彼等の作った工業製品や工芸
品はその緻密で繊細で頑強なつくりで有名である。彼等の作る武器や防
具、装飾品には魔法が掛けられていると言う。それは、彼等が鉱石の中
に含まれている魔力を引き出す技術を発達させているからであろう。こ
の技術は、ドワーフにしか使えない。ドワーフならではの技術といえよ
う。
彼らは、優れた細工師であり、抗夫であり、石工であり、鍛冶屋であっ
たり、建築家でもある。戦士としても優れており、普通に剣や槍のよう
な武器を使うこともあるが、多くは戦斧や戦槌といった、彼等の工作用
の道具から転化したものを好んで使う傾向にあるようだ。
性質はいたって陽気で、酒を飲ませれば底抜けに明るくなり、歌など
口ずさむ。ただ、人間の作る酒では酔うことが無く、彼等の作る“火酒”
でしか酔えないようである。酒を底なしのように飲むことからも、彼ら
を樽呼ばわりするものが後を絶たないようだ。
ドラゴンやオークなどの古くからの敵には頑として立ち向かうようで
ある。その反面、仲間同士の絆は固く、そのため他の種族を排斥する傾
向にあるようだ。ただ、人間とだけは交易を保っている。
ごく稀に、人間と結ばれるドワーフもいて半ドワーフともいうべきウ
ムリ族が生まれることがあるらしい。
※参考文献
・Truth In FantasyⅠ幻想世界の住人達
著者:建部伸明と怪兵隊 出版社:新紀元社
・ソードワールドRPG
著者:清松みゆきとグループSNE 出版社:富士見書房
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◇ テラロマ・ワールドガイド その14
「人狼」by魅流さん
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砂漠に住む人狼族に関するレポート
農学部動物行動学科 05AE1359 タケシ・ヨウロウ
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1.獣人族と人狼族の違いについて
本文に入る前に、獣人族と人狼族の違いについて定義をはっきりとさ
せておきたいと思う。コトーラン・ローレン著の『コンペイトウの腕環』
には、"獣人:人と動物の特徴を併せ持つ亜人種"とあり、また"人狼:人
の形態と狼の形態の両方を持つ。人間の時は完全に人間の姿を取り、特
定の条件によって獣人のような亜人の姿に変体する特性を持つ。稀に完
全な狼の姿へと変化するものもいる"という風に定義されている。
今回、レポートの題材として扱う砂漠の民ジグラッドは、後者である
人狼族に当てはまる種族である。
2.砂漠の民ジグラッドの誕生
ジグラッドは、砂漠の民という名前が示す通りオフィ砂漠を定住の地
としている。生き物が住むにはおよそ適しているとは言えない環境に彼
らが住むようになった現実には、彼らについて語るに於いてけして避け
る事の出来ないある不幸なエピソードが深く関わっている。
遠い昔、ある一人の人狼が無差別に人を襲い多くの被害を出した事件
をきっかけとして、それまで人狼族に対して容認的であった当時の社会
風潮が一変し、『人狼許すまじ』というスローガンを前面に掲げ、人狼
族に対する大規模な弾圧が行われたのだ。住処を追われた人狼達の一部
が辿り着いたのがオフィ砂漠だ。そこで彼らは街があるオアシス地帯を
避け、人が住まないような厳しい環境を転々と移動し生活する流浪の民
となったのだ。おおよそ哺乳類が住むに適しているとは言えない砂漠の
環境に適応するまでには、半端ではない犠牲と努力や労力が支払われた
事は想像に難くない――。そうして、彼らは砂漠の生活に適応し細々と
暮らすようになったのだ。これが、砂漠の民ジグラッドの誕生の瞬間で
ある。
余談ではあるが、この人狼弾圧の件に関しては現在でも賛否両論が存
在し、賛成派が「獣混じりなどに人間としての理性を期待するのが間違
いだったのだ」と言えば、反対派は「人間だって理性で抑えきれずに罪
を犯してしまう事は多々ある。彼らだけ弾圧するのは不当だ」と言葉を
返す平行線の状態となっている。
3.砂漠の民ジグラッドの風習
ジグラッドには、砂漠に適応する段階でついたであろう数多くの風習
を持つ。この項ではそのいくつかついて紹介しようと思う。
まず、その風習の中でも特に独特だと思われるのが、子供が生まれる
のに合わせて魔法生物を生み出し、子供と共に行動させるというものだ
ろう。生み出された魔法生物は大概が自然界の生き物を模しており、そ
の形態は千差万別である。この魔法生物達にはナビゲーターとしての機
能が備わっており、常に砂漠で移動を繰り返す部族の位置が分かるよう
になっているのだ。彼らがいればなんらかの事情で部族が散り散りにな
っても簡単に合流できるのである。地形が常に変わり、特定の目印など
を用意しにくい砂漠地帯で暮らすものならではのアイディアと言えよう。
また、この魔法生物は生まれた子供にとっては友であり、兄弟であり、
教師である。行動を共にさせることで子供たちの精神の成長が円滑に行
われることも期待できるし、さらには総人数20人~30人という極めて少
ない部族の中で、必然的に少なくなるであろう同世代の友達を子供に与
えるという意味でも有効である。非常によく考えられた風習なのだ。
その関係でこの部族では代々魔法生物を生み出す方法を口伝している
と言う。だが、残念ながらというべきか当然というべきか、その技法は
門外不出のもので知ることはできなかった。
また、彼らは近親婚を是としている。これは砂漠という厳しい環境で
どんどん数を減じて行く上に、砂漠に入った事情が事情ゆえに外に配偶
者を求める事ができない所為であることは容易に想像できる。もっとも、
最近では近隣の村に嫁いだり、あるいは逆もあるようで少しずつこの風
習は廃れてきているらしい。なお、ジグラッドだけがそうなのか他の人
狼族もそうなのかはわからないが、彼らの子供は皆人狼としての特性を
持つようだ。
余談になるが、人狼族の寿命はだいたい人間よりも短くなっている。
どのくらい短いかは種族ごとに異なる場合もあるが、大体は50年前後、
60年も生きれば十分に長生きと言ったレベルである。
4.砂漠の民ジグラッドの生活
さて、いままでは彼らの歴史や風習について述べてきたが、この項で
は実際の彼らの生活について触れてみようと思う。彼らがオフィ砂漠の
中を移動し、生活しているのはいままでにも軽く触れた通りなのだが、
当然それだけではいろいろと不足するものもでてくる。そこで彼らは行
商人たちに紛れて砂漠で集めた珍しいものを売りさばき、生計を立てて
いる。彼らほどかのオフィ砂漠を渡り慣れている者達は他にいない。だ
から、彼らが砂漠周辺の街とオアシスの側の町での交易の大部分を引き
受ける事になったのは必然であると言ってもいいだろう。
ジグラッドの民の変身条件は、夜になる事、極度の興奮状態になる事、
そして生命の危機に陥る事の三つがある事が分かっている。つまり、昼
であればそう変な事でもない限り普通の人間と変わらないのだ。故に、
彼らが交易をする町でももしかしたら彼らの正体に気づいていない所も
あるかも知れない。だが、調べた限りでは彼らの正体に気づいた上で取
引を続けている町も多くあるようだ。これをきっかけに人間と人狼族と
の間の溝が少しでも埋まればいいと愚考する次第である。
また、彼らの生業にはもう一つ、ロゴの調教というものがある。人と
動物の間に位置する彼らは双方に意思疎通が可能であり、時々その仲立
ちをすることがある。また、ロゴの育成にも長けており、彼らの育てた
ロゴは力強く、より多くのカロリーを蓄える事を可能としているようだ。
それを近隣の村で卸し、やはり生計の一環としているようだ。
5.まとめ
以上のように、砂漠の民ジグラッドはいまやオフィ砂漠の近くに住む
者にとってはかなり重要度が高い存在となっている事が見て取れる。だ
がその一方で、ジグラッドのほとんどの者が50年という短い生涯をオ
フィ砂漠の中で閉じてしまうという残念な現実もある。
過去に悲しい事件があったのは事実で、それゆえの行き違いが生じて
しまうのはどうしようもないことかもしれないが、少しずつでも溝が埋
まり、やがては彼らのなんの気兼ねもなしに外に出てこれるような時代
になる事を祈りつつこのレポートの結びとしたい。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その15
「魔法受験戦争」
この世界で一口に魔法と言っても様々な形態があるが、受験戦争とな
ると話は別だ。
今の世の中、魔法受験戦争などと言うものが流行っている。
ソフィニアという街がある。この街は、魔術都市と称されるほど魔術
・魔法が盛んな街である。その中にあってこと魔法に関する事で一際有
名なのが、魔術学院である。この学院は、魔法関係全般を教育すること
を目的に作られた学校である。どのような出身の者でも魔法の才能さえ
あれば、入学できるという特殊な学校である。例外はあるが、一般的な
魔術師・魔法使いならば入れるだろう。だが、才能さえあれば、という
ところに括目したい。
才能さえあれば、ということは、言い方を少し変えると才能のある者
の中でもより上位に位置する者で無いと入学出来ないということだ。少
なくとも、入学生を制限しているということは、そういうことに繋がる。
だから、ソフィニアを中心とした各都市では今まさに、魔法関連の受
験戦争などというものが流行っているのだ。
では、受験戦争が流行りだした背景を考えてみよう。
それは、現在の学歴社会に端を発しているといえるだろう。
各都市の魔導士協会や、王宮ではより良い学校を出た洗練された魔術
師・魔法使いを求めている。そういう声が各地で上がって作られたのが、
魔術学院とさえ言われている。真実は定かではないが。そして、より才
能のある者を入学して育てようという意思の元、学歴を追い求める風潮
が広まっていったのである。そして、学院のほうでも世間のそういった
風潮に倣うように、単位制を主とした学業制を敷いてきたようだ。
かくして学歴社会の代名詞ともいえる、魔法受験戦争なる言葉が世間
に定着したのである。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その11
「T大陸横断鉄道」by魅流さん
※ この設定は魅流さんの妄想の範疇です。
大陸横断鉄道計画
異世界との交易をきっかけに、ソフィニアとクーロンの一部の金持ち
が設置してみようと計画、どこからかそれを聞きつけたウピエルも半ば
強引に参加し、立ち上がったプロジェクト。偶然、異世界から鉄道系の
知識を持つ技術者が流れてきたため、彼をリーダーに開発チームを結成、
本格的に動き出した。
動力は蒸気機関に魔導石を組み込んだモノで、魔導機関というまんま
なネーミングが為されている。
この魔導石には物理衝撃を熱エネルギーにほぼロスなく変換する効能
があり、コイツをぶっ叩く事で薪の代わりを果たさせる事が可能になっ
ている。
基本的な外見は機関車とそれに付随する列車の通りだが、燃料が要ら
ない為炭水車に炭は無く、100%水しか入っていない。
又、列車の回りには光の進行を歪め透過するような結界を張り、異世
界の古めの列車のデザインを使用する事で異世界人に見られないように、
あるいは万一異世界人に見咎められたとしても幽霊列車として話に伝わ
るように努力している。
列車は現在6両編成で、うち2両が機関車と炭水車、1両が食堂車、2両
が客車で1両が貨物車両となっている。
新しくテラロマ世界に線路を敷くには金やら資材やら、いろいろと大
変なので、次元をきって裂け目を作って通る事で異世界に移動し、そこ
の鉄道を利用する事でコストを大幅に削る事に成功した。
この事は毎回乗るたびに景色が違うという付加価値も生みだしている。
ちなみに、次元を切る技術は異世界との交易のためのゲートを開く技
術を応用したモノである。また、汽車がそこを潜り抜ける時に一部の敏
感な人達に物凄い悪影響を及ぼすという報告も上がっており、また苦情
も届いているので現在その原因を追究し、駅の構成素材を変更するなど
の方法で軽減、解消できないか検討中。
ソフィニア―クーロン間を地下鉄のあったソフィニアの方から徐々に
異世界を通る距離をふやしていき、今ではクーロンの近くのルートとい
う町まで路線が伸びてきている。
今のところゲート通過時の騒音(?)以外は主だった苦情はでておらず、
特に事故もないため計画は順調に進行中。テストを兼ねて色々な物資や
人を乗せて往復中だ。
開発の大体が行われたソフィニアでは少々噂も流れているが、基本的
に一般にはまだその存在は知られておらず、各街の駅も工場という形で
偽装されている。
尚、当時「時空操作論」及び「次元認知論」の博士号を持っていて有名だっ
たクロゼンという魔術学院の教授も開発チームの一員として、参加して
いる。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その12
山・山脈情報
■オクラテス山
スズシロ山脈の東の裾野にある山。カフールの西に位置している。
この山には「賢者」と呼ばれる男・ニマルが独りで住んでいるのだが、
その正体が「レガシー」の中でも、特に力を持ち、人の形を取ることが
出来る宝石の一つであるという事実を知るものは殆どいない。
ちなみに「レガシー」とは、古代文明で戦争に利用されるために作ら
れた兵器の一部を指す言葉だが、その情報は殆どが失われ、残った情報
も意図的に隠されている節があるので、その情報収集は困難である。
■スズシロ山脈
新生エディウス、正統エディウスの南側の国境ラインから西へと延び
ている山脈。オクラテス山も含んでいる。
山脈の中腹に旅族の砦があり、付近を通る旅商から金品を巻き上げて野
望を達成しようとしていたらしい。が、阻止された。(詳細はパラノイ
アを参照のこと)
■スズナ山脈
大陸の北方と中央部を分かつように広がる山脈。
山脈のどこかに断崖の国コモンウェルズという鳳凰信仰の宗教国家が
ある。
■ボルド山
ヘレク東方に位置する山。
絶滅を囁かれている「スノーマウンテン」という白い猿が連なる山脈
に住むという。何かの遺跡も存在するらしい。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その13
「ドワーフ小人についての考察」
ドワーフは元来土の中に住むのを好む傾向にある。この辺は恐らく神
話に由来しているのだろう。
彼らの出自については、諸説ある。
最も多くの支持を得ているのは、原初の巨人説だろう。原初の巨人の
死体に湧いた蛆がドワーフの祖だと言う。原初の巨人の死体は大地になっ
たことから、ドワーフが土の中に住まうとする説がもっとも有力である。
ドワーフが日光に当たると石になって死んでしまうから土中に住まっ
ているのだと言う説もあるが、この説は実際に日の光の中を歩いている
ドワーフがいる事で否定されるだろう。
彼らは皆一様に身長が1m弱しかなく、横幅の広い所謂樽型の体型で
ある。頭髪は長く、体毛は金でも黒でもなく大体その中間色である赤毛
や栗毛が多い。身体は頑強で、寿命も200歳以上と非常に長い。われわれ
人間と比べるとエルフ族に次いで長いのではないだろうか。
その体型に似合わず、皆一様に器用で、彼等の作った工業製品や工芸
品はその緻密で繊細で頑強なつくりで有名である。彼等の作る武器や防
具、装飾品には魔法が掛けられていると言う。それは、彼等が鉱石の中
に含まれている魔力を引き出す技術を発達させているからであろう。こ
の技術は、ドワーフにしか使えない。ドワーフならではの技術といえよ
う。
彼らは、優れた細工師であり、抗夫であり、石工であり、鍛冶屋であっ
たり、建築家でもある。戦士としても優れており、普通に剣や槍のよう
な武器を使うこともあるが、多くは戦斧や戦槌といった、彼等の工作用
の道具から転化したものを好んで使う傾向にあるようだ。
性質はいたって陽気で、酒を飲ませれば底抜けに明るくなり、歌など
口ずさむ。ただ、人間の作る酒では酔うことが無く、彼等の作る“火酒”
でしか酔えないようである。酒を底なしのように飲むことからも、彼ら
を樽呼ばわりするものが後を絶たないようだ。
ドラゴンやオークなどの古くからの敵には頑として立ち向かうようで
ある。その反面、仲間同士の絆は固く、そのため他の種族を排斥する傾
向にあるようだ。ただ、人間とだけは交易を保っている。
ごく稀に、人間と結ばれるドワーフもいて半ドワーフともいうべきウ
ムリ族が生まれることがあるらしい。
※参考文献
・Truth In FantasyⅠ幻想世界の住人達
著者:建部伸明と怪兵隊 出版社:新紀元社
・ソードワールドRPG
著者:清松みゆきとグループSNE 出版社:富士見書房
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◇ テラロマ・ワールドガイド その14
「人狼」by魅流さん
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砂漠に住む人狼族に関するレポート
農学部動物行動学科 05AE1359 タケシ・ヨウロウ
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1.獣人族と人狼族の違いについて
本文に入る前に、獣人族と人狼族の違いについて定義をはっきりとさ
せておきたいと思う。コトーラン・ローレン著の『コンペイトウの腕環』
には、"獣人:人と動物の特徴を併せ持つ亜人種"とあり、また"人狼:人
の形態と狼の形態の両方を持つ。人間の時は完全に人間の姿を取り、特
定の条件によって獣人のような亜人の姿に変体する特性を持つ。稀に完
全な狼の姿へと変化するものもいる"という風に定義されている。
今回、レポートの題材として扱う砂漠の民ジグラッドは、後者である
人狼族に当てはまる種族である。
2.砂漠の民ジグラッドの誕生
ジグラッドは、砂漠の民という名前が示す通りオフィ砂漠を定住の地
としている。生き物が住むにはおよそ適しているとは言えない環境に彼
らが住むようになった現実には、彼らについて語るに於いてけして避け
る事の出来ないある不幸なエピソードが深く関わっている。
遠い昔、ある一人の人狼が無差別に人を襲い多くの被害を出した事件
をきっかけとして、それまで人狼族に対して容認的であった当時の社会
風潮が一変し、『人狼許すまじ』というスローガンを前面に掲げ、人狼
族に対する大規模な弾圧が行われたのだ。住処を追われた人狼達の一部
が辿り着いたのがオフィ砂漠だ。そこで彼らは街があるオアシス地帯を
避け、人が住まないような厳しい環境を転々と移動し生活する流浪の民
となったのだ。おおよそ哺乳類が住むに適しているとは言えない砂漠の
環境に適応するまでには、半端ではない犠牲と努力や労力が支払われた
事は想像に難くない――。そうして、彼らは砂漠の生活に適応し細々と
暮らすようになったのだ。これが、砂漠の民ジグラッドの誕生の瞬間で
ある。
余談ではあるが、この人狼弾圧の件に関しては現在でも賛否両論が存
在し、賛成派が「獣混じりなどに人間としての理性を期待するのが間違
いだったのだ」と言えば、反対派は「人間だって理性で抑えきれずに罪
を犯してしまう事は多々ある。彼らだけ弾圧するのは不当だ」と言葉を
返す平行線の状態となっている。
3.砂漠の民ジグラッドの風習
ジグラッドには、砂漠に適応する段階でついたであろう数多くの風習
を持つ。この項ではそのいくつかついて紹介しようと思う。
まず、その風習の中でも特に独特だと思われるのが、子供が生まれる
のに合わせて魔法生物を生み出し、子供と共に行動させるというものだ
ろう。生み出された魔法生物は大概が自然界の生き物を模しており、そ
の形態は千差万別である。この魔法生物達にはナビゲーターとしての機
能が備わっており、常に砂漠で移動を繰り返す部族の位置が分かるよう
になっているのだ。彼らがいればなんらかの事情で部族が散り散りにな
っても簡単に合流できるのである。地形が常に変わり、特定の目印など
を用意しにくい砂漠地帯で暮らすものならではのアイディアと言えよう。
また、この魔法生物は生まれた子供にとっては友であり、兄弟であり、
教師である。行動を共にさせることで子供たちの精神の成長が円滑に行
われることも期待できるし、さらには総人数20人~30人という極めて少
ない部族の中で、必然的に少なくなるであろう同世代の友達を子供に与
えるという意味でも有効である。非常によく考えられた風習なのだ。
その関係でこの部族では代々魔法生物を生み出す方法を口伝している
と言う。だが、残念ながらというべきか当然というべきか、その技法は
門外不出のもので知ることはできなかった。
また、彼らは近親婚を是としている。これは砂漠という厳しい環境で
どんどん数を減じて行く上に、砂漠に入った事情が事情ゆえに外に配偶
者を求める事ができない所為であることは容易に想像できる。もっとも、
最近では近隣の村に嫁いだり、あるいは逆もあるようで少しずつこの風
習は廃れてきているらしい。なお、ジグラッドだけがそうなのか他の人
狼族もそうなのかはわからないが、彼らの子供は皆人狼としての特性を
持つようだ。
余談になるが、人狼族の寿命はだいたい人間よりも短くなっている。
どのくらい短いかは種族ごとに異なる場合もあるが、大体は50年前後、
60年も生きれば十分に長生きと言ったレベルである。
4.砂漠の民ジグラッドの生活
さて、いままでは彼らの歴史や風習について述べてきたが、この項で
は実際の彼らの生活について触れてみようと思う。彼らがオフィ砂漠の
中を移動し、生活しているのはいままでにも軽く触れた通りなのだが、
当然それだけではいろいろと不足するものもでてくる。そこで彼らは行
商人たちに紛れて砂漠で集めた珍しいものを売りさばき、生計を立てて
いる。彼らほどかのオフィ砂漠を渡り慣れている者達は他にいない。だ
から、彼らが砂漠周辺の街とオアシスの側の町での交易の大部分を引き
受ける事になったのは必然であると言ってもいいだろう。
ジグラッドの民の変身条件は、夜になる事、極度の興奮状態になる事、
そして生命の危機に陥る事の三つがある事が分かっている。つまり、昼
であればそう変な事でもない限り普通の人間と変わらないのだ。故に、
彼らが交易をする町でももしかしたら彼らの正体に気づいていない所も
あるかも知れない。だが、調べた限りでは彼らの正体に気づいた上で取
引を続けている町も多くあるようだ。これをきっかけに人間と人狼族と
の間の溝が少しでも埋まればいいと愚考する次第である。
また、彼らの生業にはもう一つ、ロゴの調教というものがある。人と
動物の間に位置する彼らは双方に意思疎通が可能であり、時々その仲立
ちをすることがある。また、ロゴの育成にも長けており、彼らの育てた
ロゴは力強く、より多くのカロリーを蓄える事を可能としているようだ。
それを近隣の村で卸し、やはり生計の一環としているようだ。
5.まとめ
以上のように、砂漠の民ジグラッドはいまやオフィ砂漠の近くに住む
者にとってはかなり重要度が高い存在となっている事が見て取れる。だ
がその一方で、ジグラッドのほとんどの者が50年という短い生涯をオ
フィ砂漠の中で閉じてしまうという残念な現実もある。
過去に悲しい事件があったのは事実で、それゆえの行き違いが生じて
しまうのはどうしようもないことかもしれないが、少しずつでも溝が埋
まり、やがては彼らのなんの気兼ねもなしに外に出てこれるような時代
になる事を祈りつつこのレポートの結びとしたい。
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◇ テラロマ・ワールドガイド その15
「魔法受験戦争」
この世界で一口に魔法と言っても様々な形態があるが、受験戦争とな
ると話は別だ。
今の世の中、魔法受験戦争などと言うものが流行っている。
ソフィニアという街がある。この街は、魔術都市と称されるほど魔術
・魔法が盛んな街である。その中にあってこと魔法に関する事で一際有
名なのが、魔術学院である。この学院は、魔法関係全般を教育すること
を目的に作られた学校である。どのような出身の者でも魔法の才能さえ
あれば、入学できるという特殊な学校である。例外はあるが、一般的な
魔術師・魔法使いならば入れるだろう。だが、才能さえあれば、という
ところに括目したい。
才能さえあれば、ということは、言い方を少し変えると才能のある者
の中でもより上位に位置する者で無いと入学出来ないということだ。少
なくとも、入学生を制限しているということは、そういうことに繋がる。
だから、ソフィニアを中心とした各都市では今まさに、魔法関連の受
験戦争などというものが流行っているのだ。
では、受験戦争が流行りだした背景を考えてみよう。
それは、現在の学歴社会に端を発しているといえるだろう。
各都市の魔導士協会や、王宮ではより良い学校を出た洗練された魔術
師・魔法使いを求めている。そういう声が各地で上がって作られたのが、
魔術学院とさえ言われている。真実は定かではないが。そして、より才
能のある者を入学して育てようという意思の元、学歴を追い求める風潮
が広まっていったのである。そして、学院のほうでも世間のそういった
風潮に倣うように、単位制を主とした学業制を敷いてきたようだ。
かくして学歴社会の代名詞ともいえる、魔法受験戦争なる言葉が世間
に定着したのである。
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