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◇ うんちくてらろまてぃっく その5
クレイ「はーい、うんちくもついに5回目。なんと半年も
たつんですよー」
カイ 「そうだな12月から……5回目?」
クレイ「(……うっ!)」
カイ 「ふむ、なんだか数が合わないような……」
クレイ「な、なにいってるんだ、カイ。気のせいだよ」
カイ 「……そうか? ……まあそれなら、そういうこと
にしておくか(ニヤリ)」
クレイ「ほ、ほら、そんなことより、今回のお題(アセ
ッ)」
カイ 「そうだな、今回は『魔法使い』だ」
クレイ「ファンタジーといえば、だな」
カイ 「クレイに任せておいたおかげで、いきなりマニア
路線から始まったから、むしろ違和感があるかも
しれんな」
クレイ「う……カイも乗り気だったくせに……」
クレイ「では、気を取り直して、魔法使いといえば、ロー
ブに杖という定番スタイルで魔法という超常の力
を行使する人たちのことを言うわけだが……」
カイ 「火球の魔法は定番中の定番だから、これなら知ら
ない人はいないだろう」
クレイ「攻撃力としてみた場合、一撃の破壊力では魔法に
かなうものはないね」
カイ 「だが大抵の場合たいした武装ができないようで、
接近戦には弱く、俗に紙の防御力などと揶揄され
ることからもわかるように、ひ弱であることが多
いという面もある」
クレイ「王道といえば、まだイメージは変わらないよな」
カイ 「ふむ、しかしその程度のことはあえて語るまでも
無くファンタジーに心惹かれるような輩ならば、
常識のだぞ?」
クレイ「そう、常識なわけだが、もともとの魔法使いはち
とちがうってことなんだけど、知ってるか?」
カイ 「もともとの魔法使い……」
クレイ「そもそも魔法使いとは『常識の外の人』なんだ」
カイ 「……魔法を行使するからじゃないのか?」
クレイ「魔法はあとづけなんだ。神話の神様が使う力は魔
法とはいわんだろ?」
カイ 「む、神がでてくるのか」
クレイ「いや、モノの例えさ。 つまり神様でもないのに
不思議な力を行使する者を魔法使いと呼んだわけ
さ」
カイ 「ふーむ、なんだか漠然としてるな……」
クレイ「いや、本来の魔法使いがどういうものかは、ちゃ
んと参考になる人がいるんだ」
カイ 「ほう」
クレイ「指輪物語のガンダウルフさ」
カイ 「ん? ローブに杖の定番キャラではないのか?」
クレイ「それは認識不足だぜ。 映画版を見ればよりわか
りやすいんだが、あのじーさんは戦のときには単
騎で敵陣に突っ込んで、杖で鎧を着込んだ騎士や
戦士達をたおしまくったんだ」
カイ 「……そういえば、足もホビットよりも速かったよ
うな……」
クレイ「おまけに矢や投石なんかが飛び交うなかに踊りこ
んで傷一つ負わない」
カイ 「つまりあれか、傷を負わないから鎧はいらず、強
いから剣は要らない……」
クレイ「そのうえで、常人には不可侵の力を振るう、何で
もありなのが、魔法使いなのさ。少なくともトー
ルキンが指輪物語を書いたときまではこうだった
んだ」
カイ 「では現在のイメージはいったい……」
クレイ「そりゃやっぱりゲームの影響だろうな。なんらか
の制限をかけなきゃ、魔法使いしかいらなくなる
からなぁ」
カイ 「制約を受けざるもの……、魔法使いをそうあらわ
す地域もあるというが……」
クレイ「それはそれでまたマニアックな呼称を……」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その6
オプナ 「さぁ! オプナ・ハートフォートの魔法講座開講よ!」
ヴァネッサ「……えーとどういう状況なのかしら?」
アベル 「そうだよ、そもそもオプナ・ハートフォートって誰?」
オプナ 「まあ! 生まれながらの魔術師のなかの魔術師、この
オプナに教えを受けられるなんてそうは無いことなの
に、無知なお子様達ねー。」
アベル 「だから、あんたをしらないんだって……。」
ヴァネッサ「そもそもこのコーナーは、クレイさんとカイさんがや
ってらしたのでは?」
オプナ 「馬鹿ねー。あんな覇気の無い男や陰気な男にまかせて
られないから私がでてやったのよ。」
謎の袋A 「もがー!(怒)」
謎の袋B 「……。」
ヴァネッサ「あの……そこのうねうね動いてる袋は?」
オプナ 「あら? (謎の光を杖先から出して袋にあてるとぴた
りと止まる) まだ動けたのね……。」
アベル 「お、おい。」
オプナ 「ホホホホ、なにか?」
ヴァネッサ「……い、いえ。(アベル君、目をあわせたらやられる
わ。)」
アベル 「何でもありません。(汗)」
ヴァネッサ「(コホン)それはともかく、私達は?」
オプナ 「それはあなたが高度な魔法に興味有るって小耳に挟ん
だからよ。」
アベル 「じゃあ、俺は?」
オプナ 「ヴァネッサちゃんのオプションだから?」
アベル 「なんだよそれ!」
オプナ 「さ、無駄話が過ぎたから、さっそく講義よ!」
ヴァネッサ「はい。(まあ興味はあるし……。))
アベル 「……はーい。(ヴァネッサが受けるなら仕方ないなぁ)」
オプナ 「まずは魔法というと漠然としてるので、大まかなわけ方
からいきましょうか。」
ヴァネッサ「というと、精霊魔法とか錬金魔法とか古代語魔法とか、
そういうのですか?」
オプナ 「それよりも大きなくくりよ。そうね、前に武器でもやっ
たみたいだけど、大雑把に東洋と西洋の違いね。」
アベル 「うーん、仙術とか道術そういうの?」
オプナ 「姉弟そろって……同じことを。大きな違いはその仕組み
にあるの。」
ヴァネッサ「仕組み?」
オプナ 「西洋魔術に多いのが、法則を支配するやりかた。東洋魔
術に多いのが、法則を利用するやりかた。」
アベル 「……どうちがうの?」
オプナ 「馬鹿ねぇ。支配のほうはわりとなんでもありなんだけど、
それだけに術者本人の資質が最大の要因になるわ。大し
て東洋では、符だったり何らかの法具だったりと、媒介
を介することが多いから、一旦術として開発されれば、
素人でも扱えるようになるなんてこともおこるのよ。」
ヴァネッサ「そういえば神話や伝承でも、東洋の魔王っぽい悪役は、
どっかの仙人や神様から術を盗んで……ってのが多い
ですね。」
アベル 「へー。」
オプナ 「意外とよく知ってるじゃない。そうね、魔法というも
のを特異なものとしてある種神格化されているのが西
の特徴ともいえるし、東ではどこまで行っても単なる
技術として使われるともいえるかもね。」
アベル 「でもそんなことが大事なの?」
オプナ 「大事よ。例えば、利用という意識から言えば、使用法
さえわかれば誰でもすぐに使える、いわば科学見たい
なものね。それに比べれば長い修練を必要としたりす
るものの個人の限界を突き詰めるなら、支配してとり
こまなきゃできないことだもの。それに融通が利くか
どうかにもかかわるのよ。」
ヴァネッサ「私が学んでいるのは、支配のタイプなんですね。」
オプナ 「そうよ。伸ばすには努力が必要かもしれないけど、可
能性はひらけてるわ。」
ヴァネッサ「オプナさん……。(ひょっとしてこの講義私のため?)」
オプナ 「ふふふ、それじゃあ今日はここまで。次はさらに掘り
下げていくわよ」
ヴァネッサ「はーい。」
アベル 「はーい。」
謎の袋A 「……もがー!(ほったらかしかよ!)」
謎の袋B 「……。(やれやれ)」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その7
オプナ 「まったく!(ブツブツ)」
ヴァネッサ「あ、あの?」
アベル 「久しぶりなのに、何で怒ってるんだ?」
オプナ 「そう、ひさしぶりなのよ! せっかく意気揚々と
乗り込んできたのに、いきなり放置よ!」
アベル 「あ、ははは……。(汗)」
オプナ 「なんでかしらねー。(ジー)」
アベル 「な、何で俺を……。(汗)」
オプナ 「さあ? なんとなく?(ジー)」
ヴァネッサ「そういえば私も……。(ジー)」
アベル 「ああ、ヴァネッサまで?(なんだかわからんが、
なぜか後ろめたい??)」
オプナ 「……さて、気を取り直して、今回からは具体例を
あげながらいくわよ。」
ヴァネッサ「前回は根幹思想的なモノを、二種類に分けたんで
したよね」
オプナ 「そうね、前回のは魔法を理解しやすいように、見
方のなかでも特に大雑把な話をしたのよ。」
アベル 「俺にはあれでも結構難しかったけど」
オプナ 「心配しなくても、具体例があれば、簡単なものよ。
そうね、今回は前回の話からの流れもいいし、有
名どころということで、「真の名」の魔法でいき
ましょう」
アベル 「そんな名前の魔法あったか?」
ヴァネッサ「精霊魔法、黒魔法、白魔法、神聖魔法……、真の
名魔法なんてきいたことありませんけど……。」
オプナ 「そうねぇ、確かにそういう種類わけの中には無い
わ。というより、この魔法は種類分けという概念
すらない古いものなのよ」
ヴァネッサ「太古の昔、先史文明とかですか?」
オプナ 「あは、ごめんごめん。古いってのは現実の時代の
ことなの。特に有名なのは、ゲド戦記なんかがあ
るわけだけど、そうしたRPGブーム以前の魔法の
ことなの」
アベル 「へー」
ヴァネッサ「でも古いことと種類わけは、関係ないのではあり
ません?」
オプナ 「それが大有り。昔は魔法といえばこういうモノと
漠然とした定型がこの「真の名」の魔法なの。
今みたいにたくさんの種類が出てきたのはゲーム
とりわけRPGが広まった結果なのよ」
アベル 「なるほど、昔は魔法といえばこれだったから、種
類分けなんて必要なかったわけか」
オプナ 「そういうこと」
ヴァネッサ「どういう魔法なんですか?」
オプナ 「とてもシンプルよ。 この世界のありとあらゆる
モノ……人・物・動植物さらには現象にいたるま
で、ありとあらゆるものには「真の名」があり、
それを知ることでそのものを支配するって魔法よ」
アベル 「えーと?」
ヴァネッサ「人や生き物はなんとなく想像つきますけど……、
つまり命令にさからえなくなるんですよね?」
オプナ 「ふふ、多分あなた達の想像以上にね」
アベル 「えー? わかんないよ」
オプナ 「いい? 意のままに操るってのはもちろんだけど、
さらに深く真の名を理解し強く支配できたなら、姿
形を変えることはもちろん、その能力すら思いのま
まに作りかえれるのよ」
アベル 「……それって、例まさかキメラとか?」
オプナ 「そうね、そういうことも可能よ。 そして物理現象
にしてもおなじことがいえるの」
ヴァネッサ「そっか! つまり炎に対して激しく燃え盛れとか、
風に対して鋭く切り裂けとか」
オプナ 「さすが、飲み込み速いわね。 ただ、その真の名も
知るためには並みのことでは無理で、長い時間が必
要なのよ。 それこそ何代にもわたる積み重ねとか
ね。 これが、魔法使いが年寄りや、どこかの塔で
本に囲まれて隠遁しているイメージに連なるわけね」
ヴァネッサ「もしかして、呪文って……」
オプナ 「ふふ、ほんとに理解が早いわね。 そ、もともとこの
真の名を魔法使い独自の発音で言葉にしたものとそれ
に対する命令からなってるの」
アベル 「それで、なんだか威張ってるみたいなのか」
オプナ 「もう少しましなこと言いなさいよ……。 まあいいわ。
それで、複雑で特異な命令を行使させるには、その
存在そのものに迫るほどに深く支配する必要がある
ため呪文も長くなるのよ」
アベル 「名前だけでなく家名やミドルネームまで、だな」
オプナ 「それは、なかなかいい例えよ」
ヴァネッサ「あ、ひょっとしてそれを突き詰めたら、世界そのもの
に命令できたりするのかしら?」
オプナ 「そうよ。 まさにそれこそが魔法使いの目差す極致な
の。 俗に言うアカシックレコードはまさに真の名で
つづられた呪文のようなものかもね。 あと、起源は
まったくちがうけど、ラプラスの魔なんかも、数字で
過去未来世界の全てを表すというのは、近いかもしれ
ないわね」
アベル 「なんで一種類しかなかったかわかるがする」
ヴァネッサ「そうね。万能ってことは、他に必要ないものね」
オプナ 「正解。 最近この魔法があまり使われないのは世界の
成り立ちにまで影響するからかもしれないわね」
ヴァネッサ「そういえば、真の名魔法はないけど、精霊を支配する
とか召喚魔法とかではキーワードとしてでてきますよね」
オプナ 「よく知ってたわね。じゃあ次はそのあたりいきましょうか」
ヴァネッサ「はーい」
アベル 「はーい」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その8
オプナ 「さ、今回は……」
アベル&ヴァネッサ「召喚魔法!」
オプナ 「え、ええ、そうよ」
アベル 「あれだろ? ドラゴンとか呼び出して意のままに
操ったり……」
ヴァネッサ「妖精や精霊が助けてくれたりるんですよねー」
オプナ 「はは……(あらら、ヴァネッサまで……。やっぱ
り子供はこういうの好きなのねー)」
ヴァネッサ「でも意外と物語に出てくるのは悪役が多いですよ
ね?」
オプナ 「さすが、いいところに気がつくわね。それはこの
魔法の発生に起因してるのよ」
アベル 「最近のものじゃないの?」
オプナ 「そうねー、敵役から変化して広まったのはここ数
年。あるゲームとあるマンガが原因とおねーさん
は思ってるんだけど、結構同時期に一気にいろい
ろでてきたから、単純に未開拓だったからかもね」
アベル 「普通の魔法よりもこっちのが便利そうだよね」
ヴァネッサ「そうよね」
オプナ 「それは召喚魔法の成り立ちを聞けば変わるかもよ」
オプナ 「そもそも、召喚魔法ってのはないの」
アベル 「え、どういうこと?」
ヴァネッサ「ないって、たしかソロモン王の十二使徒なんか指
輪物語より古くからありません?」
オプナ 「あら、色々勉強してるみたいね(ニッコリ)」
アベル 「それに昔話の悪い魔法使いは悪魔とかよく呼び出
すじゃん」
オプナ 「そうね、でもね、それらは契約だからなの」
アベル 「契約ってどういうこと?」
オプナ 「よく魔法使いが強い力を望むとき、最も手っ取り
早い方法として、神や悪魔といった人知を超えた
ものの力を利用するってのがあるの」
アベル 「あ、知ってるしってる」
ヴァネッサ「なんじの魂をわれに、ってやつですね」
オプナ 「そ、その存在が、自分の眷属とかを使い魔として
貸し与えたのがはじまりなの」
ヴァネッサ「それが契約なんですか?」
オプナ 「そう、眷族も含めて力だからよ」
アベル 「あれ? それだとさ、メフィストとかは?」
オプナ 「ええ??」
ヴァネッサ「アベル君??」
アベル 「へ? な、なんだよ! 漫画とかでよくでてくる
じゃない」
ヴァネッサ「あ、そうだったの(ホッ)」
アベル 「むー、ヴァネッサまでー」
オプナ 「あはは、まあ、そうね、たしかに悪魔を手玉に取
ったりしたやつもいるけど、そういうやつらは大
抵その相手だけしか使えてないんだ。つまり、契
約が眷族まで及ばないのね」
ヴァネッサ「最近だと、それこそ真の名とかがキーになってた
りしますよね」
アベル 「ゲームだと戦って勝つとかね」
オプナ 「そこら辺はさっき言ってただまくらかすのが始ま
りね。どんなに強い力を持つものも弱みがあるっ
て考えから、ほんとの名前ってとこに行くんだけ
ど、ここの流れは主に西欧の哲学思想がからむか
ら、はぶくわね」
アベル 「うん。(きいたら混乱するだけだよ)」
ヴァネッサ「現象を支配するってやつですね」
オプナ 「そうね、悪魔も神も力を望むものからすればただ
の現象なのかもね」
ヴァネッサ「なんとなく発生はわかってきたけど、最初の感想
がかわるほどでもないですよね?」
アベル 「そうだなー。契約でも何でも、便利そうのはおな
じだよなー」
オプナ 「それは契約に問題があるんだけど、続くって事で」
アベル 「はーい」
ヴァネッサ「はーい」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その5
クレイ「はーい、うんちくもついに5回目。なんと半年も
たつんですよー」
カイ 「そうだな12月から……5回目?」
クレイ「(……うっ!)」
カイ 「ふむ、なんだか数が合わないような……」
クレイ「な、なにいってるんだ、カイ。気のせいだよ」
カイ 「……そうか? ……まあそれなら、そういうこと
にしておくか(ニヤリ)」
クレイ「ほ、ほら、そんなことより、今回のお題(アセ
ッ)」
カイ 「そうだな、今回は『魔法使い』だ」
クレイ「ファンタジーといえば、だな」
カイ 「クレイに任せておいたおかげで、いきなりマニア
路線から始まったから、むしろ違和感があるかも
しれんな」
クレイ「う……カイも乗り気だったくせに……」
クレイ「では、気を取り直して、魔法使いといえば、ロー
ブに杖という定番スタイルで魔法という超常の力
を行使する人たちのことを言うわけだが……」
カイ 「火球の魔法は定番中の定番だから、これなら知ら
ない人はいないだろう」
クレイ「攻撃力としてみた場合、一撃の破壊力では魔法に
かなうものはないね」
カイ 「だが大抵の場合たいした武装ができないようで、
接近戦には弱く、俗に紙の防御力などと揶揄され
ることからもわかるように、ひ弱であることが多
いという面もある」
クレイ「王道といえば、まだイメージは変わらないよな」
カイ 「ふむ、しかしその程度のことはあえて語るまでも
無くファンタジーに心惹かれるような輩ならば、
常識のだぞ?」
クレイ「そう、常識なわけだが、もともとの魔法使いはち
とちがうってことなんだけど、知ってるか?」
カイ 「もともとの魔法使い……」
クレイ「そもそも魔法使いとは『常識の外の人』なんだ」
カイ 「……魔法を行使するからじゃないのか?」
クレイ「魔法はあとづけなんだ。神話の神様が使う力は魔
法とはいわんだろ?」
カイ 「む、神がでてくるのか」
クレイ「いや、モノの例えさ。 つまり神様でもないのに
不思議な力を行使する者を魔法使いと呼んだわけ
さ」
カイ 「ふーむ、なんだか漠然としてるな……」
クレイ「いや、本来の魔法使いがどういうものかは、ちゃ
んと参考になる人がいるんだ」
カイ 「ほう」
クレイ「指輪物語のガンダウルフさ」
カイ 「ん? ローブに杖の定番キャラではないのか?」
クレイ「それは認識不足だぜ。 映画版を見ればよりわか
りやすいんだが、あのじーさんは戦のときには単
騎で敵陣に突っ込んで、杖で鎧を着込んだ騎士や
戦士達をたおしまくったんだ」
カイ 「……そういえば、足もホビットよりも速かったよ
うな……」
クレイ「おまけに矢や投石なんかが飛び交うなかに踊りこ
んで傷一つ負わない」
カイ 「つまりあれか、傷を負わないから鎧はいらず、強
いから剣は要らない……」
クレイ「そのうえで、常人には不可侵の力を振るう、何で
もありなのが、魔法使いなのさ。少なくともトー
ルキンが指輪物語を書いたときまではこうだった
んだ」
カイ 「では現在のイメージはいったい……」
クレイ「そりゃやっぱりゲームの影響だろうな。なんらか
の制限をかけなきゃ、魔法使いしかいらなくなる
からなぁ」
カイ 「制約を受けざるもの……、魔法使いをそうあらわ
す地域もあるというが……」
クレイ「それはそれでまたマニアックな呼称を……」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その6
オプナ 「さぁ! オプナ・ハートフォートの魔法講座開講よ!」
ヴァネッサ「……えーとどういう状況なのかしら?」
アベル 「そうだよ、そもそもオプナ・ハートフォートって誰?」
オプナ 「まあ! 生まれながらの魔術師のなかの魔術師、この
オプナに教えを受けられるなんてそうは無いことなの
に、無知なお子様達ねー。」
アベル 「だから、あんたをしらないんだって……。」
ヴァネッサ「そもそもこのコーナーは、クレイさんとカイさんがや
ってらしたのでは?」
オプナ 「馬鹿ねー。あんな覇気の無い男や陰気な男にまかせて
られないから私がでてやったのよ。」
謎の袋A 「もがー!(怒)」
謎の袋B 「……。」
ヴァネッサ「あの……そこのうねうね動いてる袋は?」
オプナ 「あら? (謎の光を杖先から出して袋にあてるとぴた
りと止まる) まだ動けたのね……。」
アベル 「お、おい。」
オプナ 「ホホホホ、なにか?」
ヴァネッサ「……い、いえ。(アベル君、目をあわせたらやられる
わ。)」
アベル 「何でもありません。(汗)」
ヴァネッサ「(コホン)それはともかく、私達は?」
オプナ 「それはあなたが高度な魔法に興味有るって小耳に挟ん
だからよ。」
アベル 「じゃあ、俺は?」
オプナ 「ヴァネッサちゃんのオプションだから?」
アベル 「なんだよそれ!」
オプナ 「さ、無駄話が過ぎたから、さっそく講義よ!」
ヴァネッサ「はい。(まあ興味はあるし……。))
アベル 「……はーい。(ヴァネッサが受けるなら仕方ないなぁ)」
オプナ 「まずは魔法というと漠然としてるので、大まかなわけ方
からいきましょうか。」
ヴァネッサ「というと、精霊魔法とか錬金魔法とか古代語魔法とか、
そういうのですか?」
オプナ 「それよりも大きなくくりよ。そうね、前に武器でもやっ
たみたいだけど、大雑把に東洋と西洋の違いね。」
アベル 「うーん、仙術とか道術そういうの?」
オプナ 「姉弟そろって……同じことを。大きな違いはその仕組み
にあるの。」
ヴァネッサ「仕組み?」
オプナ 「西洋魔術に多いのが、法則を支配するやりかた。東洋魔
術に多いのが、法則を利用するやりかた。」
アベル 「……どうちがうの?」
オプナ 「馬鹿ねぇ。支配のほうはわりとなんでもありなんだけど、
それだけに術者本人の資質が最大の要因になるわ。大し
て東洋では、符だったり何らかの法具だったりと、媒介
を介することが多いから、一旦術として開発されれば、
素人でも扱えるようになるなんてこともおこるのよ。」
ヴァネッサ「そういえば神話や伝承でも、東洋の魔王っぽい悪役は、
どっかの仙人や神様から術を盗んで……ってのが多い
ですね。」
アベル 「へー。」
オプナ 「意外とよく知ってるじゃない。そうね、魔法というも
のを特異なものとしてある種神格化されているのが西
の特徴ともいえるし、東ではどこまで行っても単なる
技術として使われるともいえるかもね。」
アベル 「でもそんなことが大事なの?」
オプナ 「大事よ。例えば、利用という意識から言えば、使用法
さえわかれば誰でもすぐに使える、いわば科学見たい
なものね。それに比べれば長い修練を必要としたりす
るものの個人の限界を突き詰めるなら、支配してとり
こまなきゃできないことだもの。それに融通が利くか
どうかにもかかわるのよ。」
ヴァネッサ「私が学んでいるのは、支配のタイプなんですね。」
オプナ 「そうよ。伸ばすには努力が必要かもしれないけど、可
能性はひらけてるわ。」
ヴァネッサ「オプナさん……。(ひょっとしてこの講義私のため?)」
オプナ 「ふふふ、それじゃあ今日はここまで。次はさらに掘り
下げていくわよ」
ヴァネッサ「はーい。」
アベル 「はーい。」
謎の袋A 「……もがー!(ほったらかしかよ!)」
謎の袋B 「……。(やれやれ)」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その7
オプナ 「まったく!(ブツブツ)」
ヴァネッサ「あ、あの?」
アベル 「久しぶりなのに、何で怒ってるんだ?」
オプナ 「そう、ひさしぶりなのよ! せっかく意気揚々と
乗り込んできたのに、いきなり放置よ!」
アベル 「あ、ははは……。(汗)」
オプナ 「なんでかしらねー。(ジー)」
アベル 「な、何で俺を……。(汗)」
オプナ 「さあ? なんとなく?(ジー)」
ヴァネッサ「そういえば私も……。(ジー)」
アベル 「ああ、ヴァネッサまで?(なんだかわからんが、
なぜか後ろめたい??)」
オプナ 「……さて、気を取り直して、今回からは具体例を
あげながらいくわよ。」
ヴァネッサ「前回は根幹思想的なモノを、二種類に分けたんで
したよね」
オプナ 「そうね、前回のは魔法を理解しやすいように、見
方のなかでも特に大雑把な話をしたのよ。」
アベル 「俺にはあれでも結構難しかったけど」
オプナ 「心配しなくても、具体例があれば、簡単なものよ。
そうね、今回は前回の話からの流れもいいし、有
名どころということで、「真の名」の魔法でいき
ましょう」
アベル 「そんな名前の魔法あったか?」
ヴァネッサ「精霊魔法、黒魔法、白魔法、神聖魔法……、真の
名魔法なんてきいたことありませんけど……。」
オプナ 「そうねぇ、確かにそういう種類わけの中には無い
わ。というより、この魔法は種類分けという概念
すらない古いものなのよ」
ヴァネッサ「太古の昔、先史文明とかですか?」
オプナ 「あは、ごめんごめん。古いってのは現実の時代の
ことなの。特に有名なのは、ゲド戦記なんかがあ
るわけだけど、そうしたRPGブーム以前の魔法の
ことなの」
アベル 「へー」
ヴァネッサ「でも古いことと種類わけは、関係ないのではあり
ません?」
オプナ 「それが大有り。昔は魔法といえばこういうモノと
漠然とした定型がこの「真の名」の魔法なの。
今みたいにたくさんの種類が出てきたのはゲーム
とりわけRPGが広まった結果なのよ」
アベル 「なるほど、昔は魔法といえばこれだったから、種
類分けなんて必要なかったわけか」
オプナ 「そういうこと」
ヴァネッサ「どういう魔法なんですか?」
オプナ 「とてもシンプルよ。 この世界のありとあらゆる
モノ……人・物・動植物さらには現象にいたるま
で、ありとあらゆるものには「真の名」があり、
それを知ることでそのものを支配するって魔法よ」
アベル 「えーと?」
ヴァネッサ「人や生き物はなんとなく想像つきますけど……、
つまり命令にさからえなくなるんですよね?」
オプナ 「ふふ、多分あなた達の想像以上にね」
アベル 「えー? わかんないよ」
オプナ 「いい? 意のままに操るってのはもちろんだけど、
さらに深く真の名を理解し強く支配できたなら、姿
形を変えることはもちろん、その能力すら思いのま
まに作りかえれるのよ」
アベル 「……それって、例まさかキメラとか?」
オプナ 「そうね、そういうことも可能よ。 そして物理現象
にしてもおなじことがいえるの」
ヴァネッサ「そっか! つまり炎に対して激しく燃え盛れとか、
風に対して鋭く切り裂けとか」
オプナ 「さすが、飲み込み速いわね。 ただ、その真の名も
知るためには並みのことでは無理で、長い時間が必
要なのよ。 それこそ何代にもわたる積み重ねとか
ね。 これが、魔法使いが年寄りや、どこかの塔で
本に囲まれて隠遁しているイメージに連なるわけね」
ヴァネッサ「もしかして、呪文って……」
オプナ 「ふふ、ほんとに理解が早いわね。 そ、もともとこの
真の名を魔法使い独自の発音で言葉にしたものとそれ
に対する命令からなってるの」
アベル 「それで、なんだか威張ってるみたいなのか」
オプナ 「もう少しましなこと言いなさいよ……。 まあいいわ。
それで、複雑で特異な命令を行使させるには、その
存在そのものに迫るほどに深く支配する必要がある
ため呪文も長くなるのよ」
アベル 「名前だけでなく家名やミドルネームまで、だな」
オプナ 「それは、なかなかいい例えよ」
ヴァネッサ「あ、ひょっとしてそれを突き詰めたら、世界そのもの
に命令できたりするのかしら?」
オプナ 「そうよ。 まさにそれこそが魔法使いの目差す極致な
の。 俗に言うアカシックレコードはまさに真の名で
つづられた呪文のようなものかもね。 あと、起源は
まったくちがうけど、ラプラスの魔なんかも、数字で
過去未来世界の全てを表すというのは、近いかもしれ
ないわね」
アベル 「なんで一種類しかなかったかわかるがする」
ヴァネッサ「そうね。万能ってことは、他に必要ないものね」
オプナ 「正解。 最近この魔法があまり使われないのは世界の
成り立ちにまで影響するからかもしれないわね」
ヴァネッサ「そういえば、真の名魔法はないけど、精霊を支配する
とか召喚魔法とかではキーワードとしてでてきますよね」
オプナ 「よく知ってたわね。じゃあ次はそのあたりいきましょうか」
ヴァネッサ「はーい」
アベル 「はーい」
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◇ うんちくてらろまてぃっく その8
オプナ 「さ、今回は……」
アベル&ヴァネッサ「召喚魔法!」
オプナ 「え、ええ、そうよ」
アベル 「あれだろ? ドラゴンとか呼び出して意のままに
操ったり……」
ヴァネッサ「妖精や精霊が助けてくれたりるんですよねー」
オプナ 「はは……(あらら、ヴァネッサまで……。やっぱ
り子供はこういうの好きなのねー)」
ヴァネッサ「でも意外と物語に出てくるのは悪役が多いですよ
ね?」
オプナ 「さすが、いいところに気がつくわね。それはこの
魔法の発生に起因してるのよ」
アベル 「最近のものじゃないの?」
オプナ 「そうねー、敵役から変化して広まったのはここ数
年。あるゲームとあるマンガが原因とおねーさん
は思ってるんだけど、結構同時期に一気にいろい
ろでてきたから、単純に未開拓だったからかもね」
アベル 「普通の魔法よりもこっちのが便利そうだよね」
ヴァネッサ「そうよね」
オプナ 「それは召喚魔法の成り立ちを聞けば変わるかもよ」
オプナ 「そもそも、召喚魔法ってのはないの」
アベル 「え、どういうこと?」
ヴァネッサ「ないって、たしかソロモン王の十二使徒なんか指
輪物語より古くからありません?」
オプナ 「あら、色々勉強してるみたいね(ニッコリ)」
アベル 「それに昔話の悪い魔法使いは悪魔とかよく呼び出
すじゃん」
オプナ 「そうね、でもね、それらは契約だからなの」
アベル 「契約ってどういうこと?」
オプナ 「よく魔法使いが強い力を望むとき、最も手っ取り
早い方法として、神や悪魔といった人知を超えた
ものの力を利用するってのがあるの」
アベル 「あ、知ってるしってる」
ヴァネッサ「なんじの魂をわれに、ってやつですね」
オプナ 「そ、その存在が、自分の眷属とかを使い魔として
貸し与えたのがはじまりなの」
ヴァネッサ「それが契約なんですか?」
オプナ 「そう、眷族も含めて力だからよ」
アベル 「あれ? それだとさ、メフィストとかは?」
オプナ 「ええ??」
ヴァネッサ「アベル君??」
アベル 「へ? な、なんだよ! 漫画とかでよくでてくる
じゃない」
ヴァネッサ「あ、そうだったの(ホッ)」
アベル 「むー、ヴァネッサまでー」
オプナ 「あはは、まあ、そうね、たしかに悪魔を手玉に取
ったりしたやつもいるけど、そういうやつらは大
抵その相手だけしか使えてないんだ。つまり、契
約が眷族まで及ばないのね」
ヴァネッサ「最近だと、それこそ真の名とかがキーになってた
りしますよね」
アベル 「ゲームだと戦って勝つとかね」
オプナ 「そこら辺はさっき言ってただまくらかすのが始ま
りね。どんなに強い力を持つものも弱みがあるっ
て考えから、ほんとの名前ってとこに行くんだけ
ど、ここの流れは主に西欧の哲学思想がからむか
ら、はぶくわね」
アベル 「うん。(きいたら混乱するだけだよ)」
ヴァネッサ「現象を支配するってやつですね」
オプナ 「そうね、悪魔も神も力を望むものからすればただ
の現象なのかもね」
ヴァネッサ「なんとなく発生はわかってきたけど、最初の感想
がかわるほどでもないですよね?」
アベル 「そうだなー。契約でも何でも、便利そうのはおな
じだよなー」
オプナ 「それは契約に問題があるんだけど、続くって事で」
アベル 「はーい」
ヴァネッサ「はーい」
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